アメリカン・コミックスの単行本を紹介していくブログ。現在仕込み中につき仮営業。
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2000/01/01(土)00:00
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■更新履歴
・2015/6/29:半年振りのこんにちわ。俺です。■Deadpool Classic Companionを執筆。なんか、長文が書きたい気分だったので、無駄に詳細に内容書いてます。

・2015/1/23:半年に1回のペースを守るつもりが、7ヶ月ぶりになってしまった(どうでもいい)。■Mystique: Dead Drop Gorgeousのエントリを執筆。久しぶりの更新だというのに、文句しか書き連ねておらず、割と心苦しい。

・2014/6/25:半年ぶりのご無沙汰(棒)。■Ultimate Fantastic Four Vol. 1 : The Fantasticのエントリを、なんとなく執筆。もはや「唐突」という言葉では済ませられぬ脈絡のなさ。

・2014/1/28:もはやこのブログ半年に1回しか更新してない。■Avengers/X-men: Bloodtiesのエントリを作成。唐突に1990年代クロスオーバーを紹介しているが、まあ、前回から半年後の筆者の興味がこの辺に有った、というだけのことなので、もはや脈絡とかを期待するだけ無駄といえる(他人事のように)。

・2013/6/6:■Avengers Arena - vol. 1: Kill or Dieのエントリを作成。唐突に「マーベルNOW!」の作品を紹介するこの無軌道さ。というか、このブログで初めて紹介する『アベンジャーズ』フランチャイズがこれでいいのか。

・2013/5/15:またも半年ぶり。■Captain America: Red Menace Ultimate Collectionのエントリを作成。昨今の邦訳コミックスが、この時期の作品に集中して刊行されていることもあって、読み返してみた。

 
■このブログについて

 このブログは筆者(TPBman)が読んだアメリカン・コミックスの単行本を紹介しつつ、それらの単行本についての情報を、大雑把に記載していくことを目指していくページになります。

 各エントリは、「この単行本には何号から何号までのコミックスが収録されているのか」「内容はどのようなものか」「この話はどの単行本に続くのか」といったあたりの有用な情報を多少なりとも盛り込むよう心がけております。


■このブログの「日付け」について

 なお、このブログの各エントリは、「日付け」欄を利用して各TPBの整理をしているため、それらの日付けは実際にそのエントリを更新した日付けとは一致しません。

 ――例えば「A」で始まるTPBは「2001年」で始まる日付けを、「B」で始まるTPBは「2002年」で始まる日付けを割り振る……といった具合に、整理しております(※数字で始まるTPBは「2027年」)。

 なので、このブログは他のブログのように巻頭の記事から順番に最新の記事が掲載されているわけではありません。記事は大まかにアルファベット順に掲載されています。

 これを利用すれば、左ブロックの「月別エントリ」から、任意のアルファベットで始まる単行本を検索することもできます。
  
  
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2001/01/01(月)00:03
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 2012年9月のマーベル・コミックス社の大規模なリランチ「マーベルNOW!」の一環として創刊されたタイトル。

 16人のティーン・エイジ・スーパーヒーロー/ヒロインが、謎のヴィランによって絶海の孤島に拉致拘束され、「これから君らには殺し合いをしてもらう」的に、最後の1人になるまで殺し合いを強要されるという話。

 ぶっちゃけたことをいえば、高見広春の小説『バトル・ロワイアル』のコンセプトをスーパーヒーローものに置き換えたものであり、単行本1巻の表紙はモロに映画版『バトル・ロワイアル』のジャケットのパロディとなっている。

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※『バトル・ロワイアル』は、北米では2003年にVizメディアから小説版、TOKYOPOPからマンガ版(画:田口雅之)がそれぞれ刊行されている。あと深作欣二による映画版は2011年末から2012年にかけて方々の地方で公開され、カルト人気を獲得したり、2012年3月頃にDVD版が好調なセールスをあげたりとかそんな感じ(同様のコンセプトの小説『ハンガー・ゲーム』の映画版にぶつける形でDVD版をリリースしたら、ウケたらしい)。

 余談ながら、ティーン・ヒーローによる殺し合いというのは、DCコミックス社でも2008年に『テラー・タイタンズ』でやっている。

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 筆者は『アベンジャーズ・アリーナ』のコンセプトを聞いたとき、「いまさら『テラー・タイタンズ』のイタダキか?」と思ったものだが、その後、今更どころか2012年に北米でプチブームになっていた『バトル・ロワイアル』のコンセプトを臆面もなくイタダイていることを知って、喜怒哀楽のどれともつかぬ嘆息を漏らした記憶がある。

 あと本作はミニシリーズかと思ったら、オンゴーイング・シリーズだった(上記の『テラー・タイタンズ』は全6話のミニシリーズだったので、なんとなくこちらもミニシリーズだと思っていた)。

 閑話休題。


 本作のストーリーをもう少々詳細にいうと、アベンジャーズ・アカデミー、ブラドック・アカデミー(本作が初出のイギリスのメタヒューマン訓練施設。キャプテン・ブリテンことブライアン・ブラドックが校長を務める)、それにランナウェイズのメンバーや、12話で打ち切られた『センチネル』の主人公、1990年代から活躍し続けてる古参ティーン・ヒーローだのといった、総勢16名の歳若の少年少女のスーパーヒーロー&ヒロイン予備軍が、X-メン系のマイナーなヴィラン、アーケードによって絶海の孤島(っぽい人造の施設)に放り出され、30日間の期限内に最後の1人になるまで殺し合いをする、という、実に陰惨な話。

 ミもフタもないことをいえば、ティーン・ヒーローが死と隣り合わせのサバイバル生活で、人間関係がギスギスしていき、衝動的に他人を害していく感じの悪趣味なドラマを見たい人(まあ、筆者だ)向けの作品で、それ以上でもそれ以下でもない。

 この第1巻の収録分(Avengers Arena #1-6。案外薄い)での作中時間は大体10日ぐらいが経過しているが、死人は片手で足りる程度と、まだまだ序章といった感じ。とはいえ人間関係のギスギス具合はいい具合に煮詰まりつつある。

 個人的には本作は、「マイナーな既存のキャラクターはアッサリ殺す」「新参キャラクターはきちんと掘り下げた上で殺す」といった、TPOをわきまえた殺しぶりができてるので、“この手のジャンル”としては今のところ及第点、といったところか。

 今巻の見所は、本作が初出となる、ブラドック・アカデミーの生徒たち(キッド・ブリトン、ブラッドストーン、アナクロニズム、エイペックス、ナラ。最後の2人は女性)。

 回想シーンで各キャラクターのいびつな人間関係(平行世界の英雄、というかガキ大将のキッド・ブリトンがエイペックスとナラに二股かけつつ、能力で劣るアナクロニズム、ブラッドストーンの2人を見下してる)を描きつつ、今巻の後半で、いかにも計算高そうなエイペックス(今巻では能力の詳細は語られないが「ああ、多分こういう系統の超能力を持ってるんだろうな」というのは読み取れる)の行動によって関係が崩壊していく様は、“この手のジャンル”の醍醐味といえるだろう。

 とりあえず、最終ページを見て、「ま、こういう結末になるわな」と、嘆息することは請け合い。

 次巻以降も、彼ら「死ぬべくして生み出された新キャラクター」らの行動に期待したい(悪趣味)。
  
  
2001/01/01(月)00:03
Avengers/X-men: Bloodties
Avengers/X-men: BloodtiesRalph Macchio Matt Idelson

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■Avengers/X-men: Bloodties
■作:Bob Harras、Fabian Nicieza、Roy Thomas、Scott Lobdell/画:Steven Epting、Andy Kubert、David Ross、John Romita, Jr.、Jan Duursema
■144ページ/カラー/ソフトカバー/15ドル95セント/ISBN:9780785101031

 1993年度のアベンジャーズとX-メンのクロスオーバー、「ブラッドタイズ」全5話を収録したソフトカバー単行本。1995年刊。

 時系列的には、1993年夏のX-メンのクロスオーバー『フェイタル・アトラクションズ』の直後の出来事であり、「フェイタル・アトラクションズ」の事実上の完結編となる。

X-Men: Fatal Attractions
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 ちなみにタイトルのブラッドタイズ(Bloodties)は、「血縁・血族」のこと。正確には「blood ties」と間にスペースが入るが、まあ、カッコいいのでよしとする。

 そのタイトルの通り、マグニート(「フェイタル・アトラクションズ」事件の結果、植物人間になった)の血族(孫)であるルナが、マグニートの後継者を自称するファビアン・コルテスによって誘拐され、クイックシルバー(マグニートの息子)&X-メンと、クリスタル(クイックシルバーの元妻)&スカーレット・ウィッチ(マグニートの娘)&アベンジャーズが、コルテスの潜伏するジェノーシャに乗り込んで行く……というお話。

 ちなみにクイックシルバーは、この当時は政府のミュータントチーム、X-ファクターに所属……してたのだが、「フェイタル・アトラクションズ」事件の際に政府に失望し、その後『X-ファクター』第94号(1993/9。「ブラッドタイズ」の2ヶ月前)でチームを去っており、どこのチームにも所属していなかった……のだが、ストーリーの都合上、X-メンの一員だか居候的な立ち位置で本クロスオーバーに参加している。

 ジェノーシャは元々はミュータントを奴隷として酷使したことで繁栄した国家だが、1990年のX-メンのクロスオーバー「エクスティンクション・アジェンダ」にて、ジェノーシャ政府の背後で糸を引いていたキャメロン・ホッジがX-メンファミリーに打倒され、この時点では、ミュータントの権利を保障することを公言した新政権の下で復興(まあ、X-メン・ファミリーが暴れたんで、色々と荒廃したのよ)を進めていた所。

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 でー、ミュータントが解放されたジェノーシャだけども、依然、ミュータントを憎悪するマジストレーツ(ミュータント弾圧のためにキャメロン・ホッジが組織した軍団)が潜伏していたり、更なる権利向上を求めて運動を続けるミュータント組織や、コルテスにそそのかされて反政府活動を行うミュータント・テロ組織アンフォーギブンがいたりと、まあ、政情穏やかならぬ状況で、やがては市民(非ミュータント)とミュータントとの間に内戦も勃発する。

 ああ、あと「我こそがマグニートの真の後継者なり」と自称する、強力なミュータント、エクソダスなんかも、重い腰を上げようとしている(そもそもコルテスは、マグニートの信奉者の集団アコライツ内の権力争いでエクソダスに負けたので、ルナを誘拐する暴挙に出た)。

 一方で国連は、国連に協力してるメタヒューマンのチームであるアベンジャーズが表立ってジェノーシャの内政に干渉して欲しくなくて、国連の管理下にあるシールドを通じてアベンジャーズを牽制しようとしてる(けど、「行くな」といわれて「はいそうですか」と納得するキャプテン・アメリカたちじゃない)。

 またアベンジャーズのメンバーの1人、USエージェントは、大本はアメリカ政府に忠誠を誓う兵士なので、政府の超人活動対策委員会(CSA)のヘンリー・ガイリックと共に独自の任務に赴く。

 でもって、ミュータント問題の専門家であるプロフェッサーXは、大統領の要請でジェノーシャに行くことになって、ついでに密かにX-メンもジェノーシャに派遣していた……とかいう感じで、まあ、様々な勢力が入り乱れる、一大群像劇が、この「ブラッドタイズ」の醍醐味であるのだ。

 ……まあ、これらの設定が、本編ではロクに生かされてないのだけどな、ブッチャケ。


 実際のストーリーは、群像劇というよりは、プロフェッサーX、エクソダス、コルテス、クイックシルバー、クリスタル、それに何故だかブラックナイト(アベンジャーズの一員だけど別にミュータントじゃないし、ミュータント問題ともロクに接点がない)といったあたりの主要なメンバーが後ろに仲間たちを引き連れて右往左往してたら、なんか敵と出会ったり、戦闘したり、なんか偶然仲間と合流したりして、そろそろまとめに入ろうかというタイミングで突然デウスエクスマキナが降臨して、そいつ倒したから、一応、物語的には決着したんじゃねーの? とかいう具合で……まあ、1990年代に乱発された「出演者は豪華だけど、中身があんまりない」「イベントのためのイベント」な、クロスオーバーの典型といえばそれまでなのだが。

 まあそもそも、たったの5話では群像劇なんてのは無理だと思うが。

 個人的な感想としては「まあ、過度な期待はせずに」「この時期のX-メンのストーリーラインを抑えておきたい人なら」「ヒーローらが集うというシチュエーションだけでワクワクできる人なら」とかいった感じ。

 まあ、『X-メン』側の話は、ジョン・ロミータJr.とアンディ・キューバートが描いているので、そちらの名前に惹かれる方もどうぞ。

 ……でも最終話は、この2人じゃなくて、当時のアベンジャーズのペンシラーのスティーブン・エプティングが描いてるのが残念ですが(失敬な)。

 とりあえず、収録話は、Avengers (Vol. 1) #368、X-Men #26、Avengers West Coast #101、Uncanny X-Men #307、Avengers (Vol. 1) #369(収録順)。

 後の2012年に出たハードカバー版は、216ページにボリュームが増えてて、本作に登場したエクソダスのオリジンを描いた『ブラックナイト:エクソダス(Black Knight: Exodus)』ワンショット(48ページ)が追加で収録。

 まあ、ソフトカバーを無駄にプレミアつきで買うくらいなら、投売りされてるハードカバーを買うのが賢明。

Avengers/X-Men: Bloodties (Hardcover)
Avengers/X-MenBob Harras Andy Kubert

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2002/01/01(火)00:00
Batman: Knightfall Part 1 - Broken Bat
Knightfall Volume 1 (Batman (DC Comics Paperback))DC Comics

DC Comics 1993-09-03
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■Batman: Knightfall Part 1 - Broken Bat
■作:Doug Moench、Chuck Dixon/画:Jim Aparo、Graham Nolan、Norm Breyfogle、Jim Balent
■264ページ/カラー/ソフトカバー/17ドル99セント/ISBN:9781563891427

 1993~1994年にかけて『バットマン』関連誌で展開された「ナイトフォール」「ナイトクエスト」「ナイツエンド」3部作のうち、「ナイトフォール」編の前半部を収録した単行本。

※ちなみに3部作のうち「ナイトクエスト」は、複数のタイトルで複数のストーリーラインを平行して行っていたこともあってか、現在まで単行本化されていない。

 謎の男ベインによって、アーカム精神科病院が襲撃され、ジョーカー、リドラー、スケアクロウら重犯罪者らが脱走する。バットマンはゴッサムにて暴れ回る悪人たちを捕らえていくが、これはバットマンを精神・肉体的に疲弊させようとするベインの策略だった……。


 収録作品は、

・Batman #491
・Batman #492
・Detective Comics #659
・Batman #493
・Detective Comics #660
・Batman #494
・Detective Comics #661
・Batman #495
・Detective Comics #662
・Batman #496
・Detective Comics #663
・Batman #497

 の12話(※収録順)。

 ベントリロキスト、ファイアフライ、ポイズン・アイビーら様々なヴィランとの戦いを経て疲労困憊していくバットマンは、やがてベインとの直接対決を余儀なくされ……そしてかの有名なベインによる「背骨折り」で今巻は幕を閉じる。


・以下余談:

「ナイトフォール」の展開は、プロローグとなる『バットマン』第488~489号(ジャン=ポールが初めてバットマンの代理としてベインと遭遇する話)から、きっちり1年後の、『バットマン』第500号記念号で完結するように計画されている。

 続く「ナイトクエスト」「ナイツエンド」も、2作合わせて10ヶ月をかけて展開し、終了直後にDCコミックス社全体のクロスオーバー『ゼロ・アワー』と2ヶ月に渡りタイインを行う……といった具合に、やはり1年間のスパンで物語の展開が計画されている。

 このあたり、あまりにきっちりと展開がパッケージングされていて、今読み返すと「何だかなぁ」と、喜怒哀楽のどれともつかない感慨が胸にわいてくる。
  
  
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2002/01/01(火)00:00
Batman: Knightfall Part Two - Who Rules the Night
Batman: Knightfall Part Two - Who Rules the Night (Batman (DC Comics Paperback))Doug Moench Chuck Dixon Alan Grant

DC Comics 1993-09-03
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■Batman: Knightfall Part 2 - Who Rules the Night
■作:Doug Moench、Chuck Dixon、Alan Grant/画:Jim Aparo、Graham Nolan、Bret Blevins、Klaus Janson、Mike Manley
■264ページ/カラー/ソフトカバー/17ドル99セント/ISBN:9781563891489

 1993~1994年にかけて『バットマン』関連誌で展開された「ナイトフォール」「ナイトクエスト」「ナイツエンド」3部作のうち、「ナイトフォール」編の後半部を収録した単行本。

 ベインによって、バットマン(ブルース・ウェイン)は再起不能の重傷を負う。ゴッサムの暗黒街に手を伸ばしていくベイン、そしていまだ逃亡を続けるスケアクロウとジョーカーら。この未曾有の危機に、ロビンはアズラエルことジャン=ポール・ヴァレーにバットマンのコスチュームを託そうとする。

 収録作品は、

・Detective Comics #664
・Showcase '93 #7
・Showcase '93 #8
・Batman #498
・Shadow of the Bat #16
・Shadow of the Bat #17
・Shadow of the Bat #18
・Detective Comics #665
・Batman #499
・Detective Comics #666
・Batman #500

 の全11話(収録順)。

 うち『ショウケース'93』第7~8号は、「ナイトフォール」事件の数週間前、トゥーフェイス(※「ナイトフォール」本編には未登場)とバットマン(ブルース)&ロビンとが対決する番外編(番外編なのだが、「ナイトフォール」パート13、14としてナンバリングされている)。

 また『シャドウ・オブ・ザ・バット』第16~18号は「ナイトフォール・タイイン」と銘打たれたストーリー(※『ショウケース'93』と異なり「パートXX」といったナンバリングはされていない)。洗脳した大学生たちを利用して、恐怖ガスによるテロを画策するスケアクロウと、バットマン(ジャン=ポール)、それに漁夫の利を得ようとするヴィジランテ、アナーキーとの戦いを描く。

 ゴッサムを支配しようとするベインと、バットマンのコスチュームを受け継いだジャン=ポールとの決戦が描かれる今巻は、一方でサブプロットとして、重傷を負ったブルース・ウェインが、アルフレッドと共に負傷を治す手段を求める姿が描かれる。

 なお、この「ナイトフォール」単行本全3巻は、「ナイトフォール」「ナイトクエスト」「ナイツエンド」三部作のうち、「ナイトフォール」(第1、2巻)と「ナイツエンド」(第3巻)の2つをまとめた単行本であり、「ナイトクエスト」編は一切収録されていない。

 そのため、「ナイトフォール」本編では未解決のまま「ナイトクエスト」編に持ち越されたいくつかの伏線――ゲリラ組織に拉致された名医ソンドラ・キンソルビング博士をブルースとアルフレッドが救出に向かう話、未だ逮捕されていないジョーカーの帰趨、それとジャン=ポールの武装の強化と内面の変化――は、この単行本全3巻では全く触れられない。

 とりあえず、

「キンソルビング博士は、ブルース・ウェインやジャスティスリーグの特別部隊の活躍で救出され、ウェインは治療を受けられた」

「ジョーカーは、アズラエル・バットマンに逮捕されるが、彼が元のバットマンではないことは見抜いた」

「アズラエルは、犯罪者に対抗するために、重装備のコスチューム(いわゆるアズラエル・バットマン・アーマー)を製作した」

 あたりの出来事が「あったものとして」、第3巻を読むことをおすすめする。

 ちなみに「ナイトクエスト」は、『バットマン』『デテクティブ・コミックス』の2つの「バットマン」本誌に加えて、『シャドウ・オブ・ザ・バット』『レジェンズ・オブ・ザ・ダークナイト』の関連2誌(※本来は、共に番外編的ストーリーが展開される雑誌)でも展開され、さらには『キャットウーマン』『ロビン』『ジャスティスリーグ・タスクフォース』誌ともクロスオーバーしているという、非常にボリュームのある話(たしか、全35話ほど)であるため、バックナンバーを全部揃えて読むのは、かなり困難だ。
  
  
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2002/01/01(火)00:00
Batman: Knightfall Part 3 - Knightsend
Batman: Knightfall Part Three: Knightsend (Batman (DC Comics Paperback))DC Comics

DC Comics 1995-06-01
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■Batman: Knightfall Part 3 - Knightsend
■作:Chuck Dixon、Alan Grant、Jo Duffy、Doug Moench、Dennis O'Neil/画:Graham Nolan、Bret Blevins、Mike Manley、Tom Grummett、Ron Wagner、Jim Balent、Barry Kitson
■298ページ/カラー/ソフトカバー/17ドル99セント/ISBN:1563891913

「ナイトフォール」「ナイトクエスト」「ナイツエンド」の3部に渡り展開されてきた「ナイトフォール・サガ」の最終第3巻(「ナイトクエスト」は一切単行本に収録されてないが)。今巻は、最終第3部「ナイツエンド」編を完全収録。

 ちなみにこの単行本は、元々は『バットマン:ナイツエンド』のタイトルで単行本化されていたものを、改題して『ナイトフォール』の3巻目に組み込んだもの。上に貼っている表紙は、実は旧版の表紙になる。

Batman: Knightfall 3: Knightsend
Batman: Knightfall 3: Knightsend (Batman (Prebound))Chuck Dixon

San Val 2008-03
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 こちらが新版の表紙(この本は、San Valという版元が出している図書館向けの品らしい)。

 DC、マーベルあたりは、過去に出した単行本を表紙のみ変えて、ISBNコードなどはそのままで、出し直しをすることがままある。「Amazonで見た書影と全然別の本が届いた」ということはままあるので、この手の古典を買う時は注意されたし(現物を見られないネット通販では注意のしようがないが……)。

 ――中身自体は同じなのだが、本棚に並べた時に、旧版・新版が混じっているとデザインが不統一で微妙に哀しくなるものだ。


 収録作品は、

・Batman #509
・Shadow of the Bat #29
・Detective Comics #676
・Legends of the Dark Knight #62
・Robin #8
・Catwoman #12
・Batman #510
・Shadow of the Bat #30
・Detective Comics #677
・Legends of the Dark Knight #63

 の全10号分。

 前2巻の「ナイトフォール」編がおおよそ『バットマン』と『デテクティブ・コミックス』の2誌の間で展開されていたのに対し、「ナイツエンド」はさらに『シャドー・オブ・ザ・バット』と『レジェンズ・オブ・ザ・ダークナイト』の2誌が加わり、その上、創刊1年目の『ロビン』『キャットウーマン』ともクロスオーバーしている。

 当たり前だが、各誌でペンシラーが異なるため、アートは前の巻と比べて、よく言えばバラエティに富んだ、悪くいえば統一感のない印象。

「ナイトクエスト:サーチ」編を経て、背骨に負った重傷を癒したブルース・ウェインは、バットマン復帰への最後の試練として、謎の女暗殺者レディ・シヴァの用意した格闘家と戦うこととなる。
 一方、「ナイトクエスト:クルセイド」編での経験で、精神の平衡を揺るがせつつあったアズラエル・バットマン(ジャン=ポール・ヴァレー)は、重武装のバットコスチュームを身にまとい、徐々に暴走を始めていく。
 ロビン、ナイトウイング、キャットウーマンらがアズラエル・バットマンの暴走に巻き込まれる一方、ブルース・ウェインは復帰への一歩が踏み出せずにいた……。


 一応、三部作クライマックスの話ではあるものの、前半部はブルースとアズラエル・バットマンが絡まず、変なテング(コウモリ)の面をつけたブルースが、アジア系の格闘家と戦うシーンが続く。

 後半、『キャットウーマン』誌上でようやくブルースはコスチュームを身にまとい(……『バットマン』『デテクティブ』本誌で復帰して欲しかった)、以降はアズラエル・バットマンとの戦いになだれ込む。

 が、この戦いも、微妙にツボを外した形でアズラエル優勢となり、最終的にブルースは、逃げながらの「トンチ」でアズラエルを倒す。単にドつき合いで勝つのはなく、アズラエル・バットマンの心を折る形で勝利する、という構図はあるべきエンディングだと思うが、あの「トンチ」は、絵的なカタルシスに欠けるのが、どうも(というより、ギャグっぽい)。

 個人的な感想としては、「ナイトフォール・サガ」の完結を確認したいなら、読めばいいだろうが、完結にふさわしい「怒濤の盛り上がり」を期待しすぎると、微妙に肩すかしをくうかと思う。


 なお、「ナイツエンド」の後、ブルースは一時的にゴッサムを去り、ナイトウイング(ディック・グレイソン)が一時的にバットマンのコスチュームを身にまとうこととなる。

 このエピソードは、単行本「Prodigal」にてまとめられているが、こちらは現在絶版。ディックとティムの仲の良いダイナミック・デュオぶりや、チャック・ディクソン創出の「ディックはトゥーフェイスに強いトラウマを持っている」設定の登場(この設定は、ディクソンがこの後手がける『ナイトウイング』オンゴーイング・シリーズにも流用される)、ラストでのブルースとディックとの和解など、見所の多い話なので、再販を望みたいところだ。
Batman: Prodigal
Batman: ProdigalDC Comics

DC Comics 1998-01-01
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2002/01/01(火)00:01
Batman: Face the Face
Batman: Face the FaceJames Robinson Patrick Gleason

DC Comics 2006-09-06
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■Batman: Face the Face
■作:James Robinson/画:Leonard Kirk、Don Kramer、Patrick Gleason他
■192ページ/カラー/ソフトカバー/14ドル99セント/ISBN:1401209106

 2005年のDCコミックス社のメガ・クロスオーバー『インフィニット・クライシス』後、各オンゴーイング・タイトルにて展開された「ワン・イヤー・レーター」イベント(『インフィニット・クライシス』終了の時点から「1年後」に時間が飛び、その間に変化した世界を提示する、という具合な企画)として展開されたストーリーアーク。

『Detective Comics』第817~-820号と『Batman』第651~654号に掲載された全8話を収録。

 ライターは「王道かつ、意外性のある物語」「着地点に向け、着々と伏線を張りつつ展開させる技量」「忘れていたキャラクターを意外な形で再登場させるマニアックさ」「微妙なキャラクターをアッサリ殺す」などの作風で知られるジェームズ・ロビンソン。

 インフィニット・クライシス事件後、バットマンは己を見つめ直すため、ディック、ティムらと共に1年間ゴッサムを離れることとした(※この話は『52』マキシシリーズにて書かれる)。彼が不在の間のゴッサムの守護者として選ばれたのは、整形手術により元の容貌を取り戻したハーヴェイ・デント(元トゥーフェイス)だった。

 旅立つ前にバットマンから直々に格闘術を手ほどきされたデントは、期待通りにゴッサムの平和を守っていく。

 そして、1年後。バットマン&ロビンは帰還し、デントは肩の荷を下ろしたかに見えた。だが、バットマンらの帰還と前後して、ゴッサムのB級ヴィランたちが何者かに殺害されるという事件が起きる。被害者の1人マグパイの遺体を調査したバットマンは、彼女がかつてトゥーフェイスが使用していた、特異な自動拳銃によって殺害されたのだと結論する。

 果たして、一連の事件の犯人は、ハーベィ・デントなのか……?

 といった具合なストーリー。

 8話分のページを過不足なく使いつつ、じっくりとしたペースでラストまで読ませる語り口が頼もしい1冊。ジェームズ・ロビンソンのファンのみならず、ハーヴェイ・デントのファン(中盤、丸々1話をかけて、デントが自身の悪の半身であるトゥーフェイスと語り合う回なんかもあり)、あるいは「それなりにボリュームがあって1冊で完結している話」「必要以上の予備知識を必要としない本」などを求めている方にお勧め。

 ロビンソンファンにはおなじみ、「アッサリ退場させられるB級ヴィラン」も健在で、今回はKGビースト、マグパイ、ベントリロキスト&スカーフェイス他が犠牲となる。合掌。

 一方で、私立探偵ジェイソン・バード(バーバラ・ゴードンの元ボーイフレンド)を再登場させたり、とあるゴールデンエイジのキャラクターの「孫」が新キャラクターとして登場したりと、ロビンソンらしいキャラクターの使い方もニヤリとさせられる。

 またそういった本筋とは別に、本作のラストでは、ブルース(バットマン)が、両親を失ったティム(3代目ロビン)を養子として引き取るという、バットマンの歴史においてそれなりに重要な出来事が描かれるため、ロビンファンも押さえておくべき1冊だろう(まあ、ほんの3ページだが)。

 作中のブルースのセリフによると、彼は当初ディック(初代ロビン)の時のように、ティムを「被後見人(ward)」(法的には家族ではない)として引き取ろうとしたのだが、法律が改正されたために「被後見人」にすることができず、「養子」にしたのだとか。

 余談ながら、ディックはこの話の書かれる5年ほど前、『Batman: Gotham Knights』第17号[2001/7]の作中で、正式にブルースの養子になっているので、「贔屓だ」などといわないように(ジェイソン? 知らんがな)。
  
  
2003/01/01(水)00:00
Cosmic Odyssey
Cosmic Odyssey
DC Comics 2003-03-01
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■Cosmic Odyssey
■作:Jim Starlin/画:Mike Mignola、Carlos Garzon
■200ページ/カラー/ソフトカバー/19ドル95セント/ISBN:9781563890518

『インファニティ・ガントレット』『キャプテン・マーベル』『シルバーサーファー』などの「コズミックもの」のコミックで名を知られる作家、ジム・スターリンによる長編。

 異次元に棲む超宇宙的存在アンチ=ライフがこの宇宙への侵攻を開始した。アンチ=ライフは、彼の4体の分身をラーン星、サナガー星、ザンシー星、そして地球に送り込み、これらの星の内2つを破壊することで生じる連鎖反応で、銀河系全体を消滅させようとする。
 この未曾有の危機を察知したアポコリプスのダークサイドは、宿敵であるニュー・ジェネシスのハイファーザーと同盟を締結。2人はニュー・ジェネシスのオリオン、ライトレイ、フォレイジャーの3人に、スーパーマン、バットマン、マーシャン・マンハンター、グリーンランタン(ジョン・スチュワート)、スターファイアの5人を加えた8人の勇士を4つの星に送り込むが……。


 アートを担当したのは、この当時(1987~88年頃)DCでペンシラーとして頭角を現しだしていたマイク・ミニョーラ。現在知られる彼の画風――スタイリッシュに省略されたキャラクターと、強いコントラスト――は、この時点で萌芽しつつある。

 未曾有の事態を自身の利につなげようと策を巡らすダークサイド、ニュー・ゴッズの勇者でありながら凶暴な本性を秘めるオリオン、非常の事態を予期し“切り札”を用意するバットマン、冷静なマーシャン・マンハンターと自信過剰なジョン・スチュワート等々、様々な個性を持ったキャラクターが入り乱れる群像劇な展開は、スターリンの真骨頂だろう。


 ちなみに、「グリーンランタン」の作品世界における重要な設定として言及されている、「ザンシー星でのジョン・スチュワートの大失態」は、本作での出来事。

 また、このシリーズに登場した悪役アンチ=ライフの設定は、後にスターリンによるミニシリーズ『デス・オブ・ザ・ニュー・ゴッズ』に意外な形で再登場する。……個人的にはどうにも意外すぎて頭を抱えたが。

Death of the New Gods
Death of the New Gods SCJim Starlin
Matt Banning

DC Comics 2009-08-11
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2003/01/01(水)00:01
Captain America: Scourge of the Underworld
Captain America: Scourge of the UnderworldMark Gruenwald Mike Carlin John Byrne Tom Defalco Jo Duffy Peter David Ron Wilson

Marvel 2011-03-02
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■Captain America: Scourge of the Underworld
■作:Mark Gruenwald、Mike Carlin、John Byrne、Tom Defalco、Jo Duffy、Peter David/画:Ron Wilson、Mike Harris、Paul Neary、Mark Bright
■296ページ/カラー/ソフトカバー/34ドル99セント/ISBN:9780785149620

 スカージ、といってもヒゲ面のトランスフォーマーではない。ましてやイナゴでも、黒いコンボイでもない。

 1985年頃のマーベル・ユニバースにおいて、その行動の特異さ、容赦なさにより人々を震撼させた、正体不明の暗殺者スカージである。

 ――例えば、あなたが、まあ、『アメージング・スパイダーマン』あたりを読んでいたとする。当時の『スパイダーマン』は、謎の強敵ホブゴブリンが登場し、スパイダーマンと丁々発止の戦いを繰り広げていた。
 その号では、ホブゴブリンとスパイダーマンの何度目かの戦いが繰り広げられていく。あなたは夢中になってページをめくる。……と、突然、場面が切り替わり、スパイダーマンのごくマイナーな悪人ヒューマンフライが登場する。
 随分とまあ、変なヤツが出てきたものだと思いつつも、「もしかしたら、こいつは今後のホブゴブリンの物語に関わりを持つのかもしれない」と、あなたは読み進める。
 が、次の瞬間ヒューマンフライは、コマの隅っこにいた清掃作業員に射殺される。物語の本筋になんら関わることもなく、いきなり登場して、いきなり射殺されたヒューマンフライにあなたは混乱したまま「正義はなされた!(Justice is Served!)」という台詞を残して去っていく清掃員を見送る。
 そしてページをめくれば、再び場面はスパイダーマンとホブゴブリンとの戦いに戻り、ホブゴブリンのマスクがついに剥がされる。その正体は驚くべきことに、スパイダーマンことピーター・パーカーの友人、フラッシュ・トンプソンだった! そんな驚愕の展開を読みつつも、あなたの脳裏には、先ほどのあまりに脈絡のないヒューマンフライの死に様が、引っかかっている……。

 これが、スカージだ。

 彼の初出は『アイアンマン』第194号。この当時の『アイアンマン』誌は、ジェームス・ローズが2代目アイアンマンを襲名して活躍する一方、ホームレスまで身を落としていたトニー・スタークが、アイアンマンとしての再起を図るべく奮闘するという、右肩上がりに盛り上がっていた時期だったが、スカージはそれらの本筋とは全く関係ないところで悪人エンフォーサーを射殺し、「正義はなされた!」の台詞を残して立ち去った。
 ちなみにスカージは変装の名人で、この号ではホームレスの女性に化け、油断しきっていたエンフォーサーを射殺している。その後も女性に化けたり、タクシーの運転手に化けたりと、とにかく悪人たちを油断させる装いで、仕事を遂行している。

『アイアンマン』での初出後、スカージは『シング』『ファンタスティック・フォー』など、当時のマーベルのコミック各誌に脈絡なく現れ、メルター、ミラクルマン、ブルーストリーク、バジリスク等々の、微妙にマイナーな悪人を射殺していった。

 やがてスカージは『キャプテン・アメリカ』第319号で、「名もなき酒場(Bar With No Name)」において伝説の大虐殺を実行し、マーベル・ユニバースの歴史に名を残す。

 続く『キャプテン・アメリカ』第320号で、スカージはキャプテン・アメリカと直接対決をし、キャプテンに正体を暴かれるとともに、その活動にはひとまずのピリオドが打たれた。

 しかしその後も、スカージを名乗るキャラクターは、『キャプテン・アメリカ』のバックアップの短編や『USエージェント』ミニシリーズなどに再浮上し、後には『サンダーボルツ』誌上にて、闇深い歴史を持つ存在であると設定された(らしい。『サンダーボルツ』は筆者は未見)。

 そんなわけで、この単行本は、スカージの初期の活躍を集めたTPBになる。

 収録作品は、以下。

・Marvel Fanfare #29:ハルク主演回に、スカージが意外な形で登場。

・Amazing Spider-Man #278:ホブゴブリンの身代わりとなって逮捕されたフラッシュ・トンプソンを、スカージが狙う話。この時期のスカージのゲスト出演作では珍しく、スカージがその回の中心的な悪役を務める。

・Captain America #318-320:『キャプテン・アメリカ』誌より、「スカージvs.キャプテン・アメリカ」のエピソードを抽出して収録。伝説の「名もなき酒場」での虐殺は、一見の価値あり。

・Captain America #358-362:これらの号のバックアップに連載された「USエージェント」の短編を収録。2代目スカージvs.USエージェント。ちなみに同時期のキャプテン・アメリカは、「ブラッドストーン・ハント」の最中。

・USAgent #1-4:1990年代に刊行されたミニシリーズ。スカージの背後の謎の一端が明かされる話。

 これらに加えて、「スカージ・キルズ……(Scourge kills...)」と題して、各誌にゲスト出演したスカージの殺害シーンを収録(個人的には、こっちがスカージの「本体」な感じ)。
  
  
Captain America: The Bloodstone Hunt
Captain America: The Bloodstone HuntMark Gruenwald Kieron Dwyer

Marvel 2010-11-24
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 ついでに、『ブラッドストーン・ハント』のTPB。不老不死を与えるという伝説のブラッドストーンの破片を求めるキャプテン・アメリカ&ダイヤモンドバックが、バロン・ジーモに雇われたバドロックと配下らと丁々発止の戦いを繰り広げる冒険活劇。現在のキャプテン・アメリカの名悪役、クロスボーンズの初登場エピソードでもある。

 オリジナルのTPBは1993年に刊行。紹介しているのは2010年に刊行された新版単行本(実は1993年版の方が装丁が微妙に豪華だったりする)。

 収録は、Captain America #357-364。
  
  
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2004/01/01(木)00:00
DC Universe: The Stories of Alan Moore
DC Universe: The Stories of Alan Moore (DC Comics)Alan Moore

DC Comics 2006-01-04
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■DC Universe: The Stories of Alan Moore
■作:Alan Moore/画:Jim Aparo、Jim Baikie、Brian Bolland、Paris Cullins、George Freeman、Dave Gibbons、Klaus Janson、Kevin O'Neill、Joe Orlando、George Pérez、Kurt Schaffenberger、Curt Swan、Rick Veitch、Al Williamson、Bill Willingham
■304ページ/カラー/ソフトカバー/19ドル99セント/ISBN:9781401209278

 2003年に刊行された『Across the Universe: The DC Universe Stories of Alan Moore』の増補改訂版。2006年刊。

 元の単行本は196ページだったのが、こちらは108ページも増補され、全304ページのボリュームに。しかも定価はわずか4セント値上げしただけという非常にお得な一冊。

 ちなみに増補されたのは日本語版も出ている『バットマン:キリング・ジョーク』と『スーパーマン:ワットエバー・ハプンド・トゥ・マン・オブ・トゥモロー?』の2作。おそらくどちらも単独で単行本化されていたことから、2003年版では削られていたのではないかと思われる(まあ両作とも、依然、単独で単行本が出ているのだが)。

 カバーイラストはブライアン・ボランドが新規に描き下ろし(旧版はデイヴ・ギボンズの筆になる)。ボランドによる『キリング・ジョーク』の「カメラを構えたジョーカー」を中心に、各作品に登場するキャラクターが集合という、非常に愉快なものとなっている(背景に描かれた惑星型グリーンランタン・モゴにも注目)。

 増補されたことで、『スワンプシング』以外のムーアがDCユニバースを舞台として書いた作品はコンプリートしている。

 収録作品は、

・Action Comics #583、Superman #423:1986年、スーパーマンの設定の大幅なリニューアルが行われる直前、「スーパーマン」関連2誌をまたいで展開された、いわゆる「アース1スーパーマンの最終回」こと『ワットエバー・ハプンド・トゥ・マン・オブ・トゥモロー?』。

・Batman: The Killing Joke:説明不要のムーアの代表作。ちなみにカラーリングはオリジナル版(※『キリング・ジョーク』は2008年に彩色を一新した新版が出ている)。

・Batman Annual #11:フリークスのクレイフェイスが商店のマネキンに恋をするという23ページの中編、「モータル・クレイ」。

・DC Comics Presents #85:邦訳版『スーパーマン:ザ・ラスト・エピソード』にも収録されているスーパーマンとスワンプシングとの競演話「ジャングル・ライン」。

・Detective Comics #549-550:バックアップとして掲載されたグリーンアロー主演の話「ナイト・オリンピックス」。ジャイブから刊行されていた『バットマン:キリングジョーク―アラン・ムーアDCユニバース・ストーリーズ』(いわゆる旧版『キリング・ジョーク』)にも収録。

・Green Lantern #188:同号のバックアップの短編「モゴ・ダズント・ソシアライズ」を収録。やはり旧版『キリングジョーク』に収録。

・the Omega Men #26-27:ベガ星域を舞台とするSFコミック『オメガメン』のバックアップの短編。各話4ページでベガ星域の知られざる神秘を描く。

・Secret Origins #10:DCの著名なキャラクターのオリジン(誕生秘話)を描く『シークレット・オリジン』より。この号は、正体が謎に包まれているキャラクター、ファントム・ストレンジャーのオリジンとされる物語を、複数の作家が描くというコンセプト(いずれが真のオリジンかは不明)。その内、ムーアの書いた10ページの短編「フットステップス」を収録。

・Tales of the Green Lantern Corps Annual #2, 3:ムーアの書いた「タイガース」「イン・ブラッケスト・ナイト」を収録。「タイガース」はジェフ・ジョーンズによる一連の『グリーンランタン』のイメージソースの1つとなった話。「イン・ブラッケスト・ナイト」は、コァ隊員カトゥマ・トゥイが、視覚を持たず「光」という概念のない知的生命体を「正義の光を照らす」グリーンランタン・コァ隊員としてリクルートすべく苦労する小話。

・Superman Annual #11:旧版『キリング・ジョーク』および『スーパーマン:ザ・ラスト・エピソード』収録の「For The Man Who Has Everything」。「クリプトン星が爆発しなかった世界」にて、全てを手に入れたカル・エルの物語。

・Vigilante #17-18:これも旧版『キリング・ジョーク』に収録されていた「Father's Day」。父親に虐待される少女を救うために苦闘するヴィジランテの話。


 ちなみに、こちらが旧版の単行本。DCコミックスの公式サイトでは絶版扱いにされているものの、まだ店頭在庫はあり。

Across the Universe: The DC Universe Stories of Alan Moore
Across the Universe: The DC Universe Stories of Alan MooreAlan Moore Dave Gibbons

DC Comics 2003-07-01
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 新版と4セントしか違わないのに100ページも少ないため、もはや買う意義は少ないといえる。

 貴方がデイヴ・ギボンズによる表紙イラストがどうしても欲しいか、本棚に196ページ分しか余裕がないのであれば、あるいは。

■Across the Universe: The DC Universe Stories of Alan Moore
■作:Alan Moore/画:Dave Gibbons、Rick Veitch、Al Williamson、George Freeman、Klaus Janson、Joe Orlando、Jim Baikie、Kevin O'Neill、Paris Cullins、Rick Magyar、Bill Willingham
■196ページ/カラー/ソフトカバー/19ドル95セント/ISBN:9781401200877/絶版

 収録作品
・Batman Annual #11
・DC Comics Presents #85
・Detective Comics #549-550
・Green Lantern #188
・the Omega Men #26-27
・Secret Origins #10
・Superman Annual #11
・Tales of the Green Lantern Corps Annual #2, 3
・Vigilante #17-18
  
  
プロフィール

Author:TPBman
管理人:TPBman
適当にアメリカン・コミックスの単行本を読む男。
紹介する本の嗜好の片寄りは人間性の片寄りの現れ。
キメ台詞「伏せろ! 煙は上に流れるんだ!」

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