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2003/01/01(水)00:01
Captain America: Scourge of the Underworld
Captain America: Scourge of the UnderworldMark Gruenwald Mike Carlin John Byrne Tom Defalco Jo Duffy Peter David Ron Wilson

Marvel 2011-03-02
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■Captain America: Scourge of the Underworld
■作:Mark Gruenwald、Mike Carlin、John Byrne、Tom Defalco、Jo Duffy、Peter David/画:Ron Wilson、Mike Harris、Paul Neary、Mark Bright
■296ページ/カラー/ソフトカバー/34ドル99セント/ISBN:9780785149620

 スカージ、といってもヒゲ面のトランスフォーマーではない。ましてやイナゴでも、黒いコンボイでもない。

 1985年頃のマーベル・ユニバースにおいて、その行動の特異さ、容赦なさにより人々を震撼させた、正体不明の暗殺者スカージである。

 ――例えば、あなたが、まあ、『アメージング・スパイダーマン』あたりを読んでいたとする。当時の『スパイダーマン』は、謎の強敵ホブゴブリンが登場し、スパイダーマンと丁々発止の戦いを繰り広げていた。
 その号では、ホブゴブリンとスパイダーマンの何度目かの戦いが繰り広げられていく。あなたは夢中になってページをめくる。……と、突然、場面が切り替わり、スパイダーマンのごくマイナーな悪人ヒューマンフライが登場する。
 随分とまあ、変なヤツが出てきたものだと思いつつも、「もしかしたら、こいつは今後のホブゴブリンの物語に関わりを持つのかもしれない」と、あなたは読み進める。
 が、次の瞬間ヒューマンフライは、コマの隅っこにいた清掃作業員に射殺される。物語の本筋になんら関わることもなく、いきなり登場して、いきなり射殺されたヒューマンフライにあなたは混乱したまま「正義はなされた!(Justice is Served!)」という台詞を残して去っていく清掃員を見送る。
 そしてページをめくれば、再び場面はスパイダーマンとホブゴブリンとの戦いに戻り、ホブゴブリンのマスクがついに剥がされる。その正体は驚くべきことに、スパイダーマンことピーター・パーカーの友人、フラッシュ・トンプソンだった! そんな驚愕の展開を読みつつも、あなたの脳裏には、先ほどのあまりに脈絡のないヒューマンフライの死に様が、引っかかっている……。

 これが、スカージだ。

 彼の初出は『アイアンマン』第194号。この当時の『アイアンマン』誌は、ジェームス・ローズが2代目アイアンマンを襲名して活躍する一方、ホームレスまで身を落としていたトニー・スタークが、アイアンマンとしての再起を図るべく奮闘するという、右肩上がりに盛り上がっていた時期だったが、スカージはそれらの本筋とは全く関係ないところで悪人エンフォーサーを射殺し、「正義はなされた!」の台詞を残して立ち去った。
 ちなみにスカージは変装の名人で、この号ではホームレスの女性に化け、油断しきっていたエンフォーサーを射殺している。その後も女性に化けたり、タクシーの運転手に化けたりと、とにかく悪人たちを油断させる装いで、仕事を遂行している。

『アイアンマン』での初出後、スカージは『シング』『ファンタスティック・フォー』など、当時のマーベルのコミック各誌に脈絡なく現れ、メルター、ミラクルマン、ブルーストリーク、バジリスク等々の、微妙にマイナーな悪人を射殺していった。

 やがてスカージは『キャプテン・アメリカ』第319号で、「名もなき酒場(Bar With No Name)」において伝説の大虐殺を実行し、マーベル・ユニバースの歴史に名を残す。

 続く『キャプテン・アメリカ』第320号で、スカージはキャプテン・アメリカと直接対決をし、キャプテンに正体を暴かれるとともに、その活動にはひとまずのピリオドが打たれた。

 しかしその後も、スカージを名乗るキャラクターは、『キャプテン・アメリカ』のバックアップの短編や『USエージェント』ミニシリーズなどに再浮上し、後には『サンダーボルツ』誌上にて、闇深い歴史を持つ存在であると設定された(らしい。『サンダーボルツ』は筆者は未見)。

 そんなわけで、この単行本は、スカージの初期の活躍を集めたTPBになる。

 収録作品は、以下。

・Marvel Fanfare #29:ハルク主演回に、スカージが意外な形で登場。

・Amazing Spider-Man #278:ホブゴブリンの身代わりとなって逮捕されたフラッシュ・トンプソンを、スカージが狙う話。この時期のスカージのゲスト出演作では珍しく、スカージがその回の中心的な悪役を務める。

・Captain America #318-320:『キャプテン・アメリカ』誌より、「スカージvs.キャプテン・アメリカ」のエピソードを抽出して収録。伝説の「名もなき酒場」での虐殺は、一見の価値あり。

・Captain America #358-362:これらの号のバックアップに連載された「USエージェント」の短編を収録。2代目スカージvs.USエージェント。ちなみに同時期のキャプテン・アメリカは、「ブラッドストーン・ハント」の最中。

・USAgent #1-4:1990年代に刊行されたミニシリーズ。スカージの背後の謎の一端が明かされる話。

 これらに加えて、「スカージ・キルズ……(Scourge kills...)」と題して、各誌にゲスト出演したスカージの殺害シーンを収録(個人的には、こっちがスカージの「本体」な感じ)。
  
  
Captain America: The Bloodstone Hunt
Captain America: The Bloodstone HuntMark Gruenwald Kieron Dwyer

Marvel 2010-11-24
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 ついでに、『ブラッドストーン・ハント』のTPB。不老不死を与えるという伝説のブラッドストーンの破片を求めるキャプテン・アメリカ&ダイヤモンドバックが、バロン・ジーモに雇われたバドロックと配下らと丁々発止の戦いを繰り広げる冒険活劇。現在のキャプテン・アメリカの名悪役、クロスボーンズの初登場エピソードでもある。

 オリジナルのTPBは1993年に刊行。紹介しているのは2010年に刊行された新版単行本(実は1993年版の方が装丁が微妙に豪華だったりする)。

 収録は、Captain America #357-364。
  
  
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2006/01/01(日)00:00
Fallen Son: The Death of Captain America
Fallen Son (Captain America)Jeph Loeb John Cassaday

Marvel 2008-04-23
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■Fallen Son: The Death of Captain America
■作:Jeph Loeb/画:Leinil Yu、Ed McGuinness、John Romita Jr.、David Finch、John Cassaday
■128ページ/カラー/ソフトカバー/13ドル99セント/ISBN:978-0785128427

 いわゆる『デス・オブ・キャプテン・アメリカ』のストーリーラインで、キャプテン・アメリカが死亡したのを受け、マーベル・ユニバースの各ヒーローらのとった様々なリアクションを描いたミニシリーズ(全5話)。

 先に個人的な感想を書くと、「キャプテン・アメリカが“死んでた頃”に読むと、非常に感慨深い作品」「生き返っちゃった今読み返すと、“茶番であるな”と、思ってしまう作品」。いや、内容自体は水準以上のクオリティにあるのだが。

 こう、マーベル・コミックス社というのは、「今盛り上げられるだけ盛り上げろ!」的な編集方針というか、それだけネタの鮮度が命(=腐りやすい)というか、まあ、そんな感じな会社なので、“旬”を逃しちゃうと、どうも読後感が上滑りしてしまうというか。

 閑話休題。

 本作は、「拒絶(DENIAL)」「怒り(ANGER)」「取引(BARGAINING)」「消沈(DEPRESSION)」「受容(ACCEPTANCE)」の全5章からなる。各章題は、エリザベス・キューブラー・ロスの著作にて紹介されている「5つの死の受容のプロセス」の各段階に基づく。

 ライターは、ジェフ・ロェブ。ロェブは2005年に息子サム(享年17歳)を失っており、そのときの経験を本作のライティングに活かしたという。――個人的には、「そういう経験をした作家」にあえてこういう作品を書かせるということに、思う所がないわけでもないが、まあ、結果としてこの作品に水準以上の完成度を与えているのだろうし、当人が納得して書いたのであれば、それはそれで、とも思う。


 なお、このシリーズ自体の企画者は、J.M.ストラジンスキーで、「5つの死の受容のプロセル」のアイデアもストラジンスキーのもの。

 それぞれの章の内容は以下のような具合。

第1章:拒絶(DENIAL)
 ウルヴァリンが主役。キャプテンが死んだとのニュースに対し懐疑的な彼は、自ら真相を確認するべく、デアデビルを伴い、キャプテンの遺体が安置されたシールドのヘリキャリアーへと向かう。ドクター・ストレンジの魔術により、首尾よく潜入に成功した彼だが、更なる真実を掴むべく、“寄り道”をする……。
 冒頭にはバッキー(ウィンターソルジャー)も登場。ウルヴァリンの誘いを断った彼自身も、後にヘリキャリアーに潜入することとなる。

第2章:怒り(ANGER)
 マイティ・アベンジャーズとニュー・アベンジャーズが主役。海岸で暴れるタイガーシャークを取り押さえに向かうマイティ・アベンジャーズ。潜伏先でポーカーに興じるニュー・アベンジャーズたち。いずれのチームも、キャプテン・アメリカの死が、メンバー間に微妙な空気をもたらしていた……。
 個人的には、スパイダーマン(ニュー・アベンジャーズ側)がキャプテンの死を悼み過ぎに思えて(マスクが脱げない程に泣きはらしている)、「そんなに親しかったのか?」と思わないでもない。

第3章:取引(BARGAINING)
「アベンジャーズ・ディスアセンブル」でアッサリ死亡し、「ハウス・オブ・M」で何故だか生き返ったホークアイが主役。自らが生きていたことを明かし、アイアンマンと接触した彼は、逆にアイアンマンから新キャプテン・アメリカになることを求められる。
 ゲストはヤングアベンジャーズのパトリオットとホークアイ。キャプテンの衣鉢を継いだホークアイが、キャプテンとホークアイに敬意を表した新世代ヒーローにディスられる皮肉な構図が見所。

第4章:消沈(DEPRESSION)
 第2章でウルヴァリンと口論になって外に出たスパイダーマンが主役。ベン叔父さんの墓を訪れたスパイダーマンは、偶然、母親の墓を訪れていたライノを殴り倒し(いい迷惑だ)、後をつけてきたウルヴァリンに多少、慰められる。
 キャプテンの死を悼むスパイダーマンの話の続き。……やはり個人的には、キャプテンとあまり接点のないスパイダーマンが、彼の死後にヒーロー活動を続けていけるのかと悩む姿はキャラクターを逸している感がある。――まあ、筆者はこの当時の『スパイダーマン』誌を読んでいないので、この指摘は的を外れているかも知れないが。
 ウルヴァリンがスパイダーマンを慰めようとキャップの逸話を語るのだけど、5秒でウソと見抜かれるあたりが好き。

第5章:受容(ACCEPTANCE)
 キャプテン・アメリカの葬式。キャプテンの長年の相棒だったファルコンが、キャプテンの偉大さを悼むスピーチをしていくお話。実質ファルコンの主役回だが、章題である「受容」を体現している人物は、実は露出の少ないトニー・スタークだったりする。
  
  
2013/01/01(火)00:02
Captain America: Red Menace Ultimate Collection
Captain AmericaEd Brubaker Mike Perkins

Marvel 2011-06-29
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■Captain America: Red Menace Ultimate Collection
■作:Ed Brubaker/画:Marcos Martin、Javier Pulido、Steve Epting、Mike Perkins
■216ページ/カラー/ソフトカバー/19ドル99セント/ISBN:9780785156178

 2011年に小学館集英社プロダクションより邦訳版が刊行された『キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー』の続編。物語自体は、2013年にヴィレッジブックスより邦訳版が刊行予定の『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』の方へ続く(まあ多分、本作は邦訳されないだろう)。

 もともとこの「レッド・メナス」のストーリーラインは、『レッド・メナス』volume 1、volume 2の、全2冊の、やや薄めの単行本として刊行されていたのだが、このエントリで紹介しているものは、その2冊をまとめた「アルティメット・コレクション」版になる。

 ちなみに、前作の『ウィンターソルジャー』も、2冊の単行本で出ていたものが、やはり同様に「アルティメット・コレクション」として1冊にまとめられている(邦訳版『ウィンターソルジャー』はこの「アルティメット・コレクション」が定本となっている)。

 収録作品は、

・Captain America (vol. 5) #15-21 (2006/4-10)

・Captain America 65th Anniversary Special #1 (2006/5)

『ウィンターソルジャー』にて、キャプテン・アメリカの仇敵であるレッドスカルが死亡したのを受け、スカルの配下クロスボーンズが、スカルの後継者を求め、行動を起こす。一方、キャプテン・アメリカは『ウィンターソルジャー』事件で生存が確認されたものの失踪したバッキーを追い、アメリカのとある田舎町を訪れる。しかし、敵であるアレキサンダー・ルーキンの脳内に精神を移送し、死を免れていたレッドスカルは、ルーキンに指示を出し、独自に行動を開始する……。といった具合。

 バッキーを追うキャプテン、失った過去を取り戻すため放浪を続けるバッキー、レッドスカルの仇であるルーキンを付け狙い独自に動くクロスボーンズ、実はそのルーキンと一身同体となったレッドスカル(無論、クロスボーンズはそのことを知らない)……と、それぞれの思惑で誰かを追う各キャラクターと、彼らの背後で暗躍するスカル/ルーキンといった構図で物語は進行していく。

 前半は、結構クロスボーンズサイドの話に枚数が割かれていたり、キャプテン対クロスボーンズが割と不完全燃焼だったりと、少々モヤモヤする展開が続きつつ、クライマックスでは、あの2人のコンビが再結成! 的に読者が求めていた絵面が見られる王道な話の流れが非常に心地よい。

 その一方で、次なる物語、更なる驚愕の展開(まあ、「デス・オブ・キャプテン・アメリカ」なんだが)に向けての伏線も、丁寧に張られて行き、常に「先が気になる」状態に読者を置くこの構成は、長編ストーリーラインを追う醍醐味、という奴だろう。


 巻末に掲載されている『キャプテン・アメリカ:65thアニバーサリー・スペシャル』は、「レッド・メナス」ストーリーラインの初期の頃に刊行された特別号で、この当時の『キャプテン・アメリカ』のライターである(いうまでもなく「レッド・メナス」のライターでもある)エド・ブルベイカーがライティングを行っている。内容的には、第2次世界大戦当時のキャプテン・アメリカ&バッキー(+ニック・フューリー&ハウリング・コマンドー)が仇敵レッドスカルの秘密計画を打ち砕くというもの。

 Marcos Martinによるクラシカルな雰囲気の絵で、ゴールデンエイジの物語が描かれていく……と思いきや、ラストで『キャプテン・アメリカ(vol. 5)』本誌の方に物語が続いていくという、巧みな構成となっている。

 ……というか、『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』で、とある登場人物がマーベル・ユニバースの大物悪役と接触した背景は、この『65thアニバーサリー・スペシャル』を読んでないと解らないし、この話にゲストで登場したヒロインは、「レッドメナス」本編でも言及されていたりと、65周年特別号の単なる番外編と見せかけて、本誌と密接なつながりを持ってたりするのだが。
  
  
 まあ、とりあえず、邦訳版『ウィンターソルジャー』や『デス・オブ・キャプテン・アメリカ』で、この時期のキャプテン・アメリカに興味を持った向きには、きちんとこのあたりの話も読み通し、「ああ、エド・ブルベイカーは丁寧に伏線を張っているので、きちんと順番に読まないともったいないなぁ」という感慨を抱いていただきたい。──というか、筆者もつまみ食いした後で本書を読んで「……もったいなかった」と思った1人だが。
  
  
プロフィール

TPBman

Author:TPBman
管理人:TPBman
適当にアメリカン・コミックスの単行本を読む男。
紹介する本の嗜好の片寄りは人間性の片寄りの現れ。
キメ台詞「伏せろ! 煙は上に流れるんだ!」

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