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2016/01/01(金)00:01
Punisher: Dark Reign
Punisher: Dark ReignRick Remender
Jerome Opena

Marvel 2009-12-02
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■Punisher: Dark Reign
■作:Rick Remender/画:Jerome Opena
■136ページ/カラー/ソフトカバー/16ドル99セント/ISBN:9780785140696

 2009年に創刊された『パニッシャー』オンゴーイング・シリーズの単行本第1巻。確か、『パニッシャー』名義でのオンゴーイング・シリーズは、これで7シリーズ目……になるらしい。結構多いね。

 シリーズの特徴としては、従来のシリーズよりもマーベル・ユニバースとのつながりが重視されており、本巻は当時の「ダーク・レイン」体制(「シークレット・インベーション」事件でヒーロー界の覇権を握ったグリーンゴブリンことノーマン・オズボーンによる暗黒の時代)と密接に結びついたストーリーが展開される。

 シリーズの末期は、2010年に話題になった、「フランケン・キャッスル」編が展開されるが、それらは第1号からの展開を受けてのものなので、まずはこの第1巻から買い始めていくのもいいだろう。


 収録作品は、『パニッシャー(vol. 7)』第1~5号、「Living in Darkness」と銘打たれたストーリーラインを収録。

「ダーク・レイン」の黒幕たるノーマン・オズボーンの暗殺に失敗したパニッシャーは、理系ナードのヘンリーを新たなパートナーとする。デジタル世代のヘンリーの情報をバックアップに、オズボーン傘下の犯罪組織を次々に襲撃していくパニッシャー。
 一方、オズボーンに協力するザ・フードは、配下の三流ヴィランをパニッシャー打倒に差し向ける一方、その魔力を用いて、パニッシャー打倒の切り札となる人物を“蘇生”させる……。

 マーベル・ユニバースとのつながりを重視してか、本巻ではパニッシャーはマフィアの武器倉庫から奪ったヒーロー/ヴィランの装備を用いて戦っていく。タスクマスターの丸盾、リパルサー・レイ発射装置付きのグローブ、アントマンのヘルメットを装備した「1人アベンジャーズ状態」でギャングの本拠に乗り込もうとするパニッシャーは一見の価値アリ(各ガジェットにわざわざドクロマークを描き込んでいるのがイカス)。

 またデジタル&IT世代で、パニッシャーのやりかたを「現代的でない」と否定するヘンリーくんは、自身の失敗を真摯に受け止め、パニッシャーに処刑された遺体を見てゲロを吐いたりもする、等身大のキャラクターとして描かれているのがいい。


 ラスト、パニッシャーに復讐をすべく、フードはとある手段で戦力の増強を計る。見開きで描かれた“そのシーン”に一層の盛り上がりを期待させつつ、物語は第2巻、「Dead End」編に続く。

 巻末には、これまでのパニッシャーの歴史をまとめた『パニッシャー・サガ』も収録。「マーベル・ユニバースの中のパニッシャー」に特化した編集をされており、引用している図版の9割方が他のマーベル・キャラクターと競演しているものとなっている。……ちなみに、悪名高い1990年代中頃の「自殺したパニッシャーが天の遣いとして蘇り、超自然マシンガンを召還して戦う」例の時期はまるきり無視されている(笑)。

 各イシューの巻頭には、その号の表紙イラストも収録。ちなみに各号のイラストは、過去のパニッシャーのコミックの表紙イラストのオマージュとなっている。
  
  
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2016/01/01(金)00:01
Punisher: Dead End
Punisher: Dead EndRick Remender
Tan Eng Huat

Marvel 2010-05-05
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■Punisher: Dead End
■作:Rick Remender/画:Tan Eng Huat、Jason Pearson
■168ページ/カラー/ソフトカバー/16ドル99セント/ISBN:9780785141624

 2009年に創刊された『パニッシャー』オンゴーイング・シリーズの単行本第2巻。表紙は「スパイダーマンvs.パニッシャー!」といった感じのイラストだが、割と表紙サギなので注意すること。


 前巻のエントリでも書いたが、本シリーズはマーベル・ユニバースとのつながりが強く、「ダーク・レイン」体制下にて、覇権を握ったノーマン・オズボーンに一矢報おうとするパニッシャーの戦いが描かれていく。

 前巻に引き続いて、マーベル・ユニバースのヒーロー/ヴィランの装備品――ホークアイの弓矢、アイアンマンのガントレット(リパルサー・レイ発射装置内蔵)、ドクター・オクトパスの触手等々――を用いて戦うパニッシャーの姿がイカしている(アントマンの物体縮小技術がかなり便利すぎだが)。

 収録作品は、『パニッシャー(vol. 7)』第6~10号にかけて展開された「Dead End」編と、『パニッシャー・アニュアル (2009)』第1号掲載の「Dead End」番外編「Remote Control」を収録。


 オズボーン配下の魔術師ザ・フードは、パニッシャー抹殺のため、かつて殺害された十数名のヴィランたちを復活させる(ちなみに再生ヴィラン軍団が死んだエピソードは、こちらのTPBで読むことができる)。パニッシャーを殺害せねば、再び死の世界に戻されると脅迫されたヴィランたちは、いくつかのグループに分かれ、活動を開始する。
 一方、新たなパートナー、ヘンリーの協力の下、オズボーンの資金源を潰していくパニッシャーだが、その精神はザ・フードから持ちかけられた取り引き――彼に味方すれば、死んだ家族が蘇る――に、徐々にむしばまれていた。
 他方、蘇生した悪人のうち、バジリスクとデスアダーは、元シールドのG.W.ブリッジを捕らえ、パニッシャーの情報を聞き出そうとしていた。

 一気に20名近くの再生悪人軍団の登場で、一気にアクション巨編になるか、と思いきや、物語はメインキャラクターの内面の掘り下げにページが割かれ、重く、ドンヨリとしたドラマに終始する。

「家族が蘇る」という究極の誘惑に葛藤するパニッシャー、家族の背負った業を払拭するためにパニッシャーを援助するヘンリー、家族を取り戻すためにパニッシャー打倒に執念を燃やすマイクロ、家族というささやかな幸せを悪人たちによって陵辱されるG.D.ブリッジ……それぞれ家族という逃れられない絆を持つ彼らに、「生」を得るために手段を選ばない悪人軍団の思惑が交錯し、より合わさった運命の糸は、しかし次々に断ち切られていく。


 後半に掲載の番外編「Remote Control」は、復活したヴィランのうち、リーサ&ラシビアス2人を追うパニッシャーが、リーサに洗脳されたスパイダーマンと戦う羽目に陥る話。シチュエーション・コメディ、あるいはドツキ漫才といった風情の話で、前半の陰々滅々とした話とのギャップがヒドい。

 ちなみに本TPBの表紙は、この「Remote Control」が掲載された『パニッシャー・アニュアル (2009)』第1号の流用なので、「スパイダーマンvs.パニッシャー」な構図なのだが、この本のメインの話である「Dead End」編にはスパイダーマンは一切登場しないので、念のため(「パニッシャーvs.アベンジャーズ」なシーンはあるが)。

 あと巻末には再生悪人軍団のデザイン画と略歴をまとめたデータページがつく(バジリスクの本名が「バジル・エルクス」というのに苦笑)。


 この後、物語はワンショット『Dark Reign: the List - Punisher』に続き、パニッシャーは……処刑……される……。この話と、その後のパニッシャーの運命は、単行本『Punisher: Franken-Castle』に続く。

 どうでもいいが、この『Punisher: Franken-Castle』の単行本は、344ページもある。『Dark Reign: The List - Punisher』に『Punisher (2009)』#11-16、『Franken-Castle』#17-21、『Dark Wolverine』#88-89と、いわゆる「フランケン・キャッスル」編とその関連話を全て(14冊)収録しているからだが、正直、2分冊にしてくれても良かったと思う。

Punisher: Franken-Castle
Punisher: Franken-CastleRick Remender
Daniel Way, Marjorie Liu, John Romita

Marvel 2011-05-11
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 ついでに、この巻に登場するG.W.ブリッジ(※この名前がジョージ・ワシントン橋にちなむことに今気づいた)について。

 彼の初出は『X-フォース(1991)』創刊号。元々は、ケーブル率いる傭兵軍団シックス・パックの一員だったが、悪人の策略によりケーブル&X-フォースと対立することになる……といった具合のキャラクター。

 その出自のため、基本的には『X-フォース』誌や『ケーブル』『ケーブル&デッドプール』誌にて、名サブキャラクターとして活躍してきた。

 その後、近年の『パニッシャー・ウォー・ジャーナル』誌上にて、ブリッジは、パニッシャーを逮捕しようと画策する役回りで登場したらしい(筆者は未読)。その縁で今回の話に登場し、実に酷い目に遭うこととなる。
  
  
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2016/01/01(金)00:01
the Punisher: Franken-Castle
Punisher: Franken-CastleRick Remender
Daniel Way
Marjorie Liu
John Romita Jr.

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■the Punisher: Franken-Castle
■作:Rick Remender、Marjorie Liu、Daniel Way/画:John Romita Jr、Tony Moore、James Harren、Stephen Segovia、Dan Brereton
■344ページ/カラー/ソフトカバー/34ドル99セント/ISBN:9780785144205

『パニッシャー(2009)』第3巻。一応、本シリーズの最終巻になる。

 収録作品は、『Dark Reign: The List - Punisher』、『Punisher (2009)』#11-18、『Franken-Castle』#19-21、『Dark Wolverine』#88-89。

 前巻のエントリでも触れたが、344ページの大ボリュームで、14話分を一気に収録。

 ……個人的には、「Dead and Alive」編(『Dark Reign: The List - Punisher』&『Punisher (2009)』#11-16)と、「Missing Pieces」編(『Punisher (2009)』#17-18、『Franken-Castle』#19-21、『Dark Wolverine』#88-89)の2つのエピソードで単行本を分けても良かったのではないかと思うが。
(『ダーク・ウルヴァリン』誌とのクロスオーバーである「Missing Pieces」編は、ダケンファンもこの単行本を買うことを考えれば、単独で単行本にしてもよいのでは、というのがその根拠)。

 あらすじは、このような感じ。

・『Dark Reign: The List - Punisher』:「Dead and Alive」編への導入となるワンショット。前2巻でのパニッシャーの敵対行動に業を煮やしたノーマン・オズボーンは、パニッシャーの抹殺指令を下す。オズボーン麾下のH.A.M.M.E.R.の大部隊に囲まれ、逃亡するパニッシャーの前にダケン(ダーク・ウルヴァリン)が立ちはだかる。アーティストはジョン・ロミータ・ジュニア。下水道で、豪雨の屋上で、ダケンとインファイトでのドつきあい繰り広げるパニッシャーの姿を重厚に描いている。
 後半、血がドバドバ流れるわ、パニッシャーが全身バラバラにされるわで、かなりグロテスクなことになるので、そういうのに耐性がない人は注意。――個人的に、ロミータ・ジュニアはあまりディテールやリアリティにこだわって絵を描く作家ではないので、全身をバラバラにされるような話でもあまりグロくないと思うが、このあたりは個人差があるだろう。

・「Dead and Alive」編(『Punisher 2009)』#11-16):いわゆる「フランケン・キャッスル」編の第1話。モービウス(※後で解説する)、マンシングら、リージョン・オブ・モンスターズらによりパニッシャーは蘇生される。しかしその姿は、乱暴に肉体を縫合し、欠損部位を機械で補い、あまつさえ駆動用のエンジンを背中に取り付けられた、フランケンシュタインの怪物そのままの異形であった(さらには脳を正常に活動させるには一定時間ごとにピルを飲む必要がある)。
 折しも、世界中のモンスターが、日本のハンターによって無差別に、無慈悲に殺されるという事件が起きていた。ハンターたちは、伝説のモンスターハンターであり、事故により地獄に囚われていたドクター・ヘルズガードを解放し、彼を指導者にモンスターたちを狩っていたのだった。
 生き延びたモンスターたちの住む地下都市にて目を覚ましたパニッシャーは、不承不承ながらモービアスたちに協力することとなる……。
 今回の敵ヘルズガードは、人狼に家族を殺されたことで全てのモンスターを憎悪し、対モンスターのパワードスーツに身を包んだ異形の存在と化した人物。家族の死の原因となった存在を根絶することが存在理由である彼はパニッシャーと表裏一体といえる。一方で怪物と化しながらも前巻での家族との“再会”とその結末について、悩み続けるパニッシャーや、家族をヘルズガードに殺害され、復讐を誓う半魚人と、今回の登場キャラクターたちも、やはり家族という絆ゆえに懊悩する役回りを与えられている。このあたり、ややもすればネタっぽくなるフランケン・キャッスルに一本スジを通しているのが良いと思う。
 なお、ヘルズガードのオリジン(回想)は、格闘ゲーム『キング・オブ・ファイターズ』のバイスがファンであることでも有名な(いや、知らんて)、ダン・ブレアートンが担当。 


・「Missing Pieces」編(『Punisher (2009)』#17-18、『Franken-Castle』#19-21、『Dark Wolverine』#88-89):ヘルズゲートとの戦いも一区切りがつき、ひとまずモンスター社会を救ってしまったパニッシャーは、異形の姿のまま、本来の「仕事」に戻ることとする(何たる仕事熱心か! ……付き合わされる相棒のヘンリー君には同情したい)。
 手はじめにパニッシャーは、ザ・ハンドの配下、レディ・ゴーゴンを追って日本に向かう(『Punisher (2009)』#17-18 ※レディ・ゴーゴンは本シリーズの前に刊行されていた『パニッシャー・ウォージャーナル』にて初登場)。
 さらにパニッシャーは日本に留まり、因縁の相手、ダケン(ダーク・ウルヴァリン)と決着をつけようとする(Dark Wolverine #88、Franken-Castle #19、Dark Wolverine #89、Franken-Castle #20 ※なぜだか第19号から誌名が『フランケン・キャッスル』に改名された)。
 魔力によって打たれ強くなっているパニッシャーと、ヒーリング・ファクター持ちのダケンが全4話もかけて延々とド突き合いをする話。ゲストとしてダケンの身内も登場し、終わることないケンカをひとまずいさめようとする。

・『Franken-Castle』 #21:『フランケン・キャッスル』最終号。ゲストとしてダン・ブレアートンがアーティストを担当。ダケンとの戦いの傷を癒すため、モンスター・アイランドにて休暇をとるパニッシャー。だが、彼に埋め込まれたブラッドストーンの魔力は、思いもよらぬ回復能力を発揮する。その一方で、パニッシャーの精神はブラッドストーンの魔力に徐々に飲み込まれ始める。モービアスらは、パニッシャーからブラッドストーンを回収しようとするが……。

・エピローグ:色々ありつつも初心に帰って犯罪者との戦いを再開させることとしたパニッシャーの短編。

 以上をもって『パニッシャー(2009)』オンゴーイング・シリーズは完結し、新シリーズに続く。


 ちなみに、本作のキーアイテムとなる「ブラッドストーン(ブラッドジェムとも)」は、マーベルの怪奇系キャラクター、「ユリシーズ・ブラッドストーン」のオリジンに関わるアイテム(ユリシーズは本作のヘルズガードの回想にも登場)。

 ブラッドストーンは元々ハイボリア期に地球に飛来した隕石で、異界の妖魔ヘルファイヤー・ヘリックスからパワーを注がれているため、絶大なる魔力を誇る。
 この隕石は、墜落地点の近郊に住む未開人の青年により発見されるが、隕石を回収しに来た妖魔の配下との戦いの結果、ブラッドストーンの破片は青年の胸に刺さり、彼に不老不死と超人クラスの身体能力などの恩恵を与えることとなる。──この青年こそが後のユリシーズ・ブラッドストーンである。

 ユリシーズ・ブラッドストーンは、現代までおよそ1万年以上を生き続け、世界有数の冒険家、モンスターハンター、傭兵として名をとどろかす。しかし最終的に、ヘルファイヤー・ヘリックスとの戦いで、妖魔の配下によりブラッドストーンを胸から取り去られ死亡する。

 コミックス史的にはユリシーズ・ブラッドストーンは、1975年刊の『マーベル・プレゼンツ』誌の創刊号で初出を飾った古参キャラクター。その後、大判の雑誌『ランページング・ハルク』誌にて連載を獲得した彼は、創刊号から7話程度連載され、同誌の第8号において死亡した。

 しかしその後も彼は、『キャプテン・アメリカ』誌の「ブラッドストーン・ハント」ストーリーラインの回想シーンに登場したり、20世紀中ごろを舞台としたコミックにゲスト出演したりと、奇特なライターによって言及されることがある。

 なお、『フランケン・キャッスル』第21号にゲスト出演したエリザ・ブラッドストーンはユリシーズの娘。彼女は2001年に刊行されたミニシリーズ『ブラッドストーン』の主役として初登場した、比較的若いキャラクターになる。


Captain America: The Bloodstone Hunt
Captain America: The Bloodstone HuntMark Gruenwald Kieron Dwyer

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適当にアメリカン・コミックスの単行本を読む男。
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