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2004/01/01(木)00:01
Deadpool Classic - Volume 6
Deadpool Classic - Volume 6Christopher Priest
Glenn Herdling
Paco Diaz Luque

Marvel 2012-02-01
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■Deadpool Classic vol. 6
■作:Christopher Priest、Glenn Herdling/画:Paco Diaz Luque、Gus Vazquez、Andy Smith、Jim Calafiore、Sal Velluto
■312ページ/カラー/ソフトカバー/29ドル99セント/ISBN:9780785159414

『デッドプール・クラシックス』第6巻。『デッドプール』オンゴーイング・シリーズのライターを第1号から務めてきたジョー・ケリーは前巻までの収録分(~#33)で降板し、今巻(#34~)からクリストファー・プリーストがライターに就任する。――「今巻から」といっても、今巻の最後に収録されている『デッドプール』第45号でプリーストは降板するのだが(逆にいえばプリースト期のデッドプールを読みたければ、本書だけ買えば無駄がない)。

 筆者の記憶、認識が確かなら、このプリースト期こそが、デッドプールがいわゆる「メタ」なキャラクターとして、活躍しだした嚆矢になる。プリーストは就任早々、デッドプールが「打ち切られたコミックキャラクターの住む村」を訪れ、ボディバッグに入れたジョー・ケリーを沼に放り込む、というネタをカマし、以降もデッドプールがこの世界の「秘密」(“男がいる。そいつはタイプライターの前に座ってて、全ては奴のねじれた創造の産物なんだ”)を語りだしたり、「急げ、ページめくられてるぞ?」などといったりと、メタなネタを口走るようになる(なお、何をきっかけにデッドプールが“秘密”を知ったかは、作中では明かされていない)。


・追記:その後、『デッドプール:クラシック』1~5巻を読み返してみたが、実際には『デッドプール』誌でメタネタをやりだしたのは、頻度こそ少ないもののジョー・ケリー期だった。頻度としては大まかに「5号おきに1回」、1コマ程度挿入する位で、プリースト期ほどメタを前面には押し出していないが。

 なので、プリーストはデッドプールのメタネタの創始者でこそないが、メタネタを前面的に、かつ頻繁に使い出し、遂にはデッドプールのキャラクター性の一部にまで組み込んだ「育ての親」と見なすべきだろう。


 ちなみにプリーストは『デッドプール』を担当する少し前まで、「創刊号から担当していたコミック『ザ・レイ』が打ち切られる」「担当していたメジャータイトル『ジャスティスリーグ・タスクフォース』や『スティール』が編集部の体制の変更で関連タイトル共々打ち切られる」「不人気タイトル『ホークマン』のライターに呼ばれたと思ったら、最終話を書かされる」「インディーズ出版社でそれなりにヒットを飛ばしたオリジナル作品『クァンタム&ウッディ』が、会社の業績不振で打ち切られた」(<その後、ヤケになって『クァンタム&ウッディ:ホーリー・SXXX! 俺たちゃキャンセルされた!』)なんて単行本を出した)等々、なぜか打ち切りに呪われていた。

 なので、デッドプールが訪れた「打ち切り村」の住人は、ホークマン、レイ、アイアンフィスト、スティール他、プリーストが過去に担当していた(そして打ち切りの憂き目にあった)キャラクターばかりだったりするし、「お前は既に打ち切られているんだ! 何故あいつ(プリースト)が就任したと思ってるんだ?」なんていう自虐的なセリフも登場したりする(そしてデッドプールは、プリースト期の最終回で、今度はプリーストをボディバッグに入れて、この村を再訪することになる)。

 ちなみに、プリーストが就任した当時の『デッドプール』誌は、人気がイマイチで、ネット上で「『デッドプール』が打ち切られないようにファン投票しよう!」なんて呼びかけをマーベルの公式サイトで展開されるほどの……いうなれば、「プリーストが来てもおかしくない」雑誌だった。

 ああ、一応いっておくと、この当時のプリーストが「ダメな」作家だったわけではない。プリーストは『デッドプール』のライターに就任する1年ほど前に、『クァンタム&ウッディ』の人気を受けて、マーベル・コミックス社にて『ブラックパンサー』のライターとして迎え入れられ、それなりにヒットを飛ばしている。要は、まあ、巡り合わせが悪かったのだ。

 ついでにいえば、『クァンタム&ウッディ』も、時折、主人公のウッディらが読者に語りかけるメタネタを割と頻繁に用いていた作品で(コミックの冒頭でウッディが「今回のコミックでは、アフリカ系アメリカ人を差別する例の言葉の代わりに、“ヌーギー”という言葉を使用します」と読者に説明したり)、デッドプールのメタネタの源流の1つは、『クァンタム&ウッディ』といえるかも知れない。

※例の言葉:有体に言うとアフリカ系アメリカ人への蔑称である「ニガー」のこと。ちなみにプリーストもアフリカ系アメリカ人。


 長々と語ったが(筆者はこの時期のプリーストのファンだったので申し訳ない)、収録作品は以下。


・Deadpool (1997) #34-37:前巻での戦いで、重傷を負ったデッドプールは、見知らぬ場所でカプセルに入れられ治療を受けていた。とりあえずヒマなので、デッドプールは彼がウェポンXを抜けだし、ヴィラン稼業を始めて見た当時の思い出を語り出す(デッドプールのコスチュームの由来も明らかに!)。その後、デッドプールは欺瞞の神ロキの帽子をもらったり、魔法のハンマーを手に入れたり、マイケル・ジャクソンの家を訪れてサインをもらったりするのであった(本当)。

・Deadpool (1997) #38-39:とりあえず、新展開の導入、的な話。ロキの呪いを受けたデッドプールが、なんとか呪いに対抗しようと暴れ回ったあげく、服が破れたので新コスチュームにしたり、新たなる拠点として、2流ヴィランとルームシェアをしたり、因縁のタスクマスターの学校に乗り込んだり(本当)。

・Deadpool (1997) #40-43:タスクマスターに無理矢理仕事をもらったデッドプールが宇宙に行ったり、宇宙の迷子になったり、宇宙人と会ったりしたあげく、DCコミックス社の当時の人気キャラクター、ロボのパロディ・キャラクターであるダーティ・ウルフと競演したり、スタージャマーズがゲスト出演したり、なんのかんのあって、次号予告に「わかった、宇宙の話は次回で辞めるから」とか書かれて、実に適当に終わる、そんな話(ウソついてもしょうがないので本当)。

・Deadpool (1997) #44、Black Panther (1998) #23.:「キャット・トラップ」と銘打ち、当時プリーストが担当していた『ブラックパンサー』とクロスオーバーした全2話の話。ゲストとしてアベンジャーズが登場する。なお、この当時のブラックパンサーの称号は別人(エリック・キルモンガー)が継承」しているのだが、どういう経緯でそのようになったかは筆者はうろ覚えなので、説明はできない。「まあ、よく解らないが、そういうものなのだろう」的に読み進めていただきたい。

・Deadpool (1997) #44:プリースト編最終話。微妙に貼られていた伏線である所の「あのサブキャラクター」の正体が明らかになり、「ロキの呪い」に何となくケリが付き、まあとりあえず、次のライターにバトンが渡せるように身辺整理が行われる回(そして様式美ともいえる爆発オチが)。

 いずれも、フザけた話であることは前もって忠告しておく。


 ……本来なら、この辺に『クァンタム&ウッディ』の単行本へのリンクを貼りたいのだが、悲しむべきことにAmazon.co.jpには『クァンタム&ウッディ』のTPBが登録されていない。なので、『ブラックパンサー』のTPBでも貼ってお茶を濁したく思う。

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 ちなみに『クァンタム&ウッディ』は、生真面目な黒人と不真面目な白人の旧友同士が、色々あって互いに変なバンドを腕にはめちまい、量子を操るパワーを手に入れた替わりに、一定時間内にお互いのバンドを接触させないと、肉体が霧散してしまうというヤッカイな状況に陥り、とりあえず真面目な黒人が、自分たちの量子操作能力を正義のために生かすことを決意し「今日から俺は……クァンタム(量子)と名乗る!」とかいうと、不真面目な白人が「じゃぁ俺は……ウッディ(本名)と名乗る!」とか茶々を入れる話。Amazon.comのマーケットプレイスとか、オンラインのコミックショップで買えるので、オフビートなヒーローものが好きな人は、試しに買ってみるといい。
  
  
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